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皆さん、こんにちは!

今日は久しぶりに金融関係の話題を取り上げたいと思います。
2021年明けからアメリカ長期国債の金利が上昇しています。これに伴って、昨年2020年の株高をけん引したGAFAM(M: Microsoft)やIT、SaaSなどのハイテク企業、いわゆるグロース株の株価が下落しました。

株式投資において、意外と長期金利の重要性が認識されていなかったり、仮に認識していてもどうして長期金利の上昇が株価の下落につながるか、その仕組みを理解していない人は多いのではないでしょうか。

そういうわけで、今回はアメリカ長期国債の金利上昇がグロース企業の株安を引き起こしたメカニズムを説明しようと思います。仕組みがいささか複雑なので、何段階かに分けて説明しようと思います。

目次としてはこんな感じです。
1.長期国債の金利上昇の仕組み(今回)
2.WACC(加重平均資本コスト)とは何か(次回以降)
3.グロース株が売られた理由(次回以降)

1. 長期国債の金利上昇の仕組み
(債権の価格と金利の関係)
 まず、市場で取引される国債の金利が上昇するメカニズムを説明します。国債は額面と利子があらかじめ決められています(変動金利の国債もあります)。例えば額面100円、利子10円/年、満期10年の国債を考えます。この国債を額面通りの100円で買った人は償還までに毎年10円の利子を受け取ります。そのためこの人にとって債権の金利は年利10%となります(単純化のための割引現在価値の考え方は適応しません)。

 この債券は償還前の10年間の間の任意のタイミングで市場で取引することができます。市場での債券の価格は需給によって変動します。例えば債権を買う人が多くなれば、債権の価格が110円、120円と上昇します。しかし、債権の利子は10円のままなので金利は9.1%、8.3%と低下していきます。

 一方で、債券を買う人が減れば債権の価格は90円、80円と低下します。利子は10円のままなので金利は11%、12.5%と上昇します。

 まとめると、債券価格が上昇すれば金利は低下し、債券価格が低下すれば金利は上昇します。このように債権は価格の上昇と金利がトレードオフになっています、

(アメリカ長期国債の金利上昇メカニズム)

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(出典:https://fund.smbc.co.jp/smbc/qsearch.exe?F=mkt_bond_detail&KEY1=BUSG.10Y/USGT&CTYPE=2)

 それでは、具体的にアメリカ長期国債の金利が上昇したメカニズムを見ていきたいと思います。ここでいう長期国債とはアメリカ10年国債を指しています。アメリカ10年国債の金利はコロナショックによって大きく下落し、昨年には0.5%台を付けたこともありました。しかし、2020年後半からは上昇に転じ、2021年1月に入ってからは上昇のペースが速まっていました。

 債券価格が低下すると金利が上昇するということは先に説明しました。それでは、今回はどのような理由でアメリカ国債が売られたのでしょうか。

(アメリカ国債が売られた2つの理由)
 アメリカ国債が売られた理由は大きく分けて二つあると思います。一つ目はバイデン政権の巨額の経済対策の財源が国債発行で賄われること。二つ目はワクチン接種の加速で経済再開が進み、アメリカ経済が早期に回復するという期待です。

 3月11日にバイデン政権下で総額1.9兆ドル(200兆円)規模の新型コロナウィルス経済対策法が成立しました。この経済対策には一人当たり最大1400ドルの現金給付や失業給付の9月までの延長などを含みます。この大規模な財政出動は国債発行によって賄われるという点がポイントです。

 この巨額の財政出動のための発行された国債は、国債の供給過剰をもたらします。需要供給曲線を思い出してもらえれば分かりますが、供給過剰は価格の低下をもたらします。経済対策を賄うために発行された国債によって、国債の供給過剰が生じ、それが国債価格の低下をもたらし、最終的に金利の上昇につながったと考えられます。

 もう一つの要因は、アメリカ国内でワクチン接種が進み、早期の経済再開の見通しが立ったことです。日経新聞の世界のコロナワクチン接種状況のページを見ると、4月2日時点でアメリカの累計接種回数は1.5億回を超えています。これはアメリカ国民100人当たり45人が1回は接種している計算になります。(参考:https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-vaccine-status/)

 こうしたワクチン接種の進展もあって、アメリカでは早期の経済再開に対する期待が上昇しています。これに伴って、FRB(アメリカ連邦準備制度理事会。アメリカの中央銀行に相当)は最新の予想で2021年のアメリカのGDP成長率の予想を6.5%に上方修正しました(2月時点では4.5%と予想)(参考:https://jp.reuters.com/article/fomc-idJPKBN2B92T6)。

 長期金利の一つの性質として、ある程度の時間軸で見た場合、基本的に名目GDPの成長率に収斂するというものがあります(参考:https://www.sbbit.jp/article/fj/55539)。FRBのGDP予想の上方修正は、市場参加者に名目GDPが今後増加するだろうという予想を抱かせました。

 GDPが増加し、経済が好景気になればインフレが進みます。インフレはお金の価値の相対的な低下を意味します。つまり、額面100円の国債をずっと持っているとインフレに伴ってその額面の価値が年々下がっていくということになります。

 したがって、アメリカのおける予想GDP成長率の上昇とそれに伴う予想インフレ率の上昇から債権を売る動きが出たと考えられます。

(まとめ)
 だいぶ長くなってしまったのでいったんここでまとめますね。まとめるとこんな感じになると思います。
 
①債券価格が上がる(債権が買われる)と金利は低下する。債券価格が下がる(債権が売られる)と金利は上昇する。

②債券の価格と金利には上記のようなトレードオフがある。

③アメリカ長期国債が売られたことで、長期国債の金利が上昇した。

④バイデン政権の大規模な経済対策は国債の供給過剰をもたらし、それが国債価格の低下をもたらし、金利の上昇につながった。

⑤コロナワクチンの接種の進展がアメリカのGDP成長率、インフレ率の予想を上昇させ、それによって国債が売られ、金利の上昇につながった。

 今回の内容は大学の講義や自分のこれまでの学習を踏まえて書いてます。僕は大学でガチで経済学を専攻しているわけではないので一部に説明不足や間違いがあるかもしれません。見つけた方はどしどしご指摘ください!質問でもかまいません。

 今回は肝心のグロース株が売られた理由まで到達できませんでしたが、つづきについても近々更新したいと思いますので、次回以降も読んでもらえたら嬉しいです!
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 皆さんお久しぶりです! 

 前回の更新からすごく時間が空いてしましました。すみません。
 この間、東大の進学振り分けやらなんやらで忙しく、なかなか更新ができませんでした。
 (ちなみに中の人は後期教養学部教養学科総合社会科学分科という名前の長い学部に進学しました。)

 それでも、相変わらず投資をコツコツ続けていたので、今日はここ数か月間の投資について簡単に紹介しようと思います。

変化①:米国株による長期投資を本格開始
 7月くらいから米国株の個別銘柄に少しづつ投資を始めました。これは、東大ドリームネットの交流会で出会った東大卒個人投資家の方の影響です。その方は、米国の高配当株を中心に投資を行っており、現在は配当収入だけで暮らしています。まさに、投資によって経済的自由を手に入れた方です。

 その方に、米国高配当株の魅力を説かれたのが、米国株に投資を始めたきっかけです。その方の説明に説得力があったのはもちろんですし、自分でいろいろ調べた結果、確かに長期投資には米国高配当株が向いているという確信を得ました。しかし、一番説得力があったのは、その個人投資家の方の実際の口座を見せていただいたことです。詳しくは言えませんが、私はあの規模の「資産」を実際に目にするのは初めてでした。

 そんな訳で、今まで国内株式に振り分けられていたお金を少しづつ米国株式に移し始めました。ちなみに、今まではマネックス証券を利用していましたが、米国株の手数料が安いという理由で、新たに楽天証券の口座を開設しました。

 現在は約80万円を投資しています。保有銘柄はAT&Tやウェルス・ファーゴといった高配当の成熟企業を始め、P&Gやコカ・コーラといった配当は3%ですが、今後も成長が見込まれる企業にも投資しています。

 米国株の特徴は何といっても4半期ごとに配当が出ることです。そのため、複数銘柄を組み合わせれば、毎月配当がもらえるということもあり得ます。実際、私も7月に投資を始めて11月の現在までで合計33ドルの配当金をもらっています。定期的にお金が振り込まれるのは、例え小額でも、「自分は株主として投資によってお金を得ている」という実感が沸いてうれしいものです。

 米国株の魅力については今後詳しく書いていきたいです‼

変化②:日本株の信用取引でキャッシュフローを得る
 二つ目の変化は、日本株の取引き方法です。それまで私は現物株を購入し、数週間から数か月間保有していました。しかし、その方法が自分に合っていないことに気が付きました。

 まず、日本株はボラティリティが高いと感じました。これは金融庁の方にお聞きした話ですが、日本株の8割は外国人投資家が保有しており、どうしても投機的な売買が多く、結果としてボラティリティの高い相場になってしまうとのことです。

 ボラティリティが高いとどうしても値動きが気になってしまって、精神的な負担が増えます。そこで、逆に考えを変えて、長期投資は米国高配当株で行い、日本株は信用取引による短期売買に切り替えました。

 具体的には、信用取引を利用し以前よりも買い付ける株数を増やし、小幅な値動きで利ザヤが取れるようにします。また、ファンダメンタルよりもテクニカルを重視し、勝てそうなポイントを見極め短期間で集中投資(投機)します。ボラティリティが高いという国内株式の特徴を、短期で利ザヤをとることに利用する戦法です。

 しかし、買い付ける株数が増える分、損失も膨らみやすいです。そのため、損切りや買い付けるタイミングについては厳しくルールを設けながらトレードすることを心がけるようになりました。また、一か月の目標額を設定し、それを超えたら基本的にはトレードしないようにしています。

 信用取引は6月ぐらいから始めましたが、かなり安定して利益が出せるようになってきました。また、最近は学部の勉強が忙しく、中々、アルバイトに入れないので、信用取引のキャッシュフローは重要な収入です。

 自分の信用取引の手法についても、また今後別な記事で紹介出来たらなと思います‼


 今回は、久しぶりの更新ということで、ここ数か月間の自分の投資の変化を紹介しました。基本的には、「米国高配当株で長期投資、国内株式の信用取引で短期投資」というスタンスをとるようになりました。今後も私の投資の手法や、現在の投資状況について記事を書いていければなと思います。同時に
、たまには投資以外のことについても書きたいなと思いますが、中々筆がのりません(笑)

 こんな稚拙なブログですが、今後もよろしくお願いします!



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 皆さんこんにちは‼
 今日はこの前読んだネットニュースの記事を読んで考えたことを書こうと思います。
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 URLはこちら↓↓↓
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45289880W9A520C1TJC000/

(内容要約)
東大卒のITエンジニアの就職先が時代とともに変化しており、最近ではスタートアップやベンチャーの比率が増えているということだ

 多くのエンジニアを排出する大学院情報理工学系研究科の修了生の就職先を見ると、1990年代のNTTや東芝から2000年代のソニーや日立製作所をへて2010年代にはスタートアップの割合が増えている。

 この「スタートアップ人気」の背景には、就職前から業務内容が明確に示されていること、大手は事務作業が多くて退屈そう、最近はベンチャーキャピタルや大手からの投資によって給与や処遇の面でも大手と大差がない、専門性をすぐに生かせ将来のキャリアも明確などといった要因がある。

 また、スタートアップ企業の中には、エンジニアの働きやすい環境に力を入れ「大学院との二足のわらじ」を可能にしているところもあるようだ。

 このような流れに対して大手は初任給の引き上げで対抗してるが、優秀な人材を振り向かせるためにはキャリアパスや専門性を活かせる役割を明確に示す必要があると指摘している。
                                (日経新聞2019年5月26日)』

(大手一強時代の終焉)
 この記事はあくまでも大学院情報理工学系研究科出身のAIやプログラミング関係の人材に焦点を当てていますが、同様の現象は東大の他の卒業生、ひいては日本の大学卒業生全体に広がっているように感じます。

 この現象には
何回か前に書いた日本における終身雇用制の崩壊が関係していると思います。終身雇用制が確立している時代ならば、大手企業に就職することは生涯にわたる収入の安定を意味します。しかし、終身雇用制が崩壊しつつある今、大企業に就職することが必ずしも最善の選択とは限りません

 また、1990年代前半までは世界の企業の時価総額トップ50のうち10を日本企業が占めていました。しかし、現在ではトヨタがランクインするのみとなっています。この20年間で日本の大企業の世界に対するプレゼンスは大きく後退しているといえます。

 こうした状況の中で、自身の専門的なスキルをすぐに発揮できるスタートアップに人気が出ているといえます。また、大企業の場合は組織が大きく、自分のやりたいことがすぐには出来ない反面、スタートアップは小規模ゆえに意見が通りやすく自分のやりたいことがすぐに実行できるというメリットもあります

(どうしてスタートアップが増えているのか?)
 最近は「起業」という言葉を聞く機会が増えたと思います。世にいう意識高い系の大学生のSNSのプロフィール欄に「起業」と書いてあるのをよく目にしますし、一度大手企業などに就職した人が独立して起業する場合もあります。さらに、法人登記をして「フリーランス」として働く人も増えていると聞きます。

 ひと昔前は「起業」というと高リスクな面がしばしば強調されていました。確かに起業後10年後に残ているのは全体の1割という話も耳にします。それにも関わらず近年、起業が増加しそれに伴ってベンチャーやスタートアップといった新興企業が増えているのはなぜなのでしょうか?

①情報化社会
 私が思うに、その原因の一つは情報化社会の到来です。情報化社会では情報の収集、分析、活用が重要になります。既存のあらゆる産業分野でこのような情報化が生じたことで新たなビジネスチャンスが無数に生じました

 また、こうした情報関連のビジネスには大規模な生産設備も在庫管理のための倉庫も必要ありません。プログラミングによってソフトウェアを作成する能力や統計解析ができる能力、機械学習に関する能力があればパソコン一つでビジネスが成立します。

 これは従業員数が少なくてもビジネスが成立することを意味します。2012年にFacebookが「インスタグラム」の開発会社を買収しましたが、その時に社員数は13人でした。そんな小規模な企業をFacebookは810憶円で買収しました

 これは情報化社会では、技術力さえあれば少人数な企業でも社会に対して大きなインパクトを与える商品を作れるということを端的に示しています。FacebookやInstagram、最近ではTikTokが好例です

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 また、インターネットの登場で以前よりも直接顧客を発見しやすくなっています。

②投資の増加 
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近年では、金融業界にもIT革命が起こっています。金融を意味する「フィナンシャル」と「テクノロジ―」を合体させた「フィンテック」という造語ができたのも今日この頃です

 フィンテックの登場によって従来の決済、融資、投資運用、株式売買などのサービスがより迅速に行えるようになりました。現在では証券会社で入金支持をすれば即座に提携する銀行口座から資金が振り込まれ、ディーラーに電話を掛けなくとも株式の売買ができます。
 
 また、最近はブロックチェーンという新技術によって信用を担保されたビットコインのような暗号通貨も登場し、従来の貨幣に代わる新しい「お金」として注目を集めています。

 こうしたフィンテックの登場は私たちのような個人が投資に参入することを可能にしました。また、クラウドソーシングのような多くの個人から小額ずつ融資を受ける仕組みが整備されています。以前より個人が投資を行いやすくなったことはスタートアップやベンチャーにお金が集まる原因の一端になっていると思います

 同時に、大手からの投資も増加しています。先のInstagramやTikTokのようにIT系のスタートアップやベンチャー企業は成功した時のインパクトが非常に大きいため、投資の魅力あります。また、最近では成功したベンチャー企業をGoogleなどの大企業が高額でM&Aしてくれることもベンチャー企業の大量発生に関わっているといえます

(文系学生はどうするのか?)
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今後ますます情報化社会が進行していく中で文系の学生はどのように社会で活躍(または生き残って)していけばよいのでしょうか?
 

 私も文系の学生ですが、今後の文系学生に求められるのは最新技術にアクセスし続け学び続ける姿勢だと思います。文系の学生だからといってAIやプログラミングなどの最新技術に疎くて良いというわけではありません。その仕組みや原理までを学ぶ必要はありませんが、少なくともその技術に対する最低限の知識は必要です

 フィンテックでは金融という従来の産業にITテクノロジーが適応されました。今後もあらゆる産業分野でITテクノロジーは適応されていくでしょう。その時にITに対する最低限の知識が無ければ、現実に生じている問題にITを用いたアプローチを提案したり、ITを用いた効率化といった提案ができません。

 また、ITについての最低限の知識とリテラシーを持っておくことは抑止力にもなります。ビジネスの現場において何も知らないということは騙されたり、足元を見られたりということにつながります。ITについて最低限知っておけば「あ、こいつ結構知ってるんだな」と相手に対する抑止力になります。

 その他にも、文系学生が持つべき普遍的な素養としては問題発見・分析力、組織マネジメント能力や、プロジェクトの遂行能力、複数の関係間の調整能力が挙げれれます。これらはプログラミングのように直接的に価値を生み出す技術ではありませんが、集団としての組織が円滑に業務やプロジェクトを遂行していくうえで欠かせない能力ですし、どんな業界に行っても必要なスキルです

 今後ますます流動的な雇用形態が想定される中で、どんな業界や職種に行っても応用できる普遍的なスキルとして上のようなものが挙げられると思います。私自身、これらのスキルを身につけようと意識して本を読んだり、日々に大学での活動に取り組んでいます(なかなか一朝一夕に身につくものではないんですけどね笑)。 東大生ブログランキング

 

 皆さんこんにちは‼
 今日は、私が投資を始めようと思った理由の一つである「銀行への預金はだけではダメ」ということについて説明しようと思います。

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 もともとリスク恐怖症だった自分は、銀行への預金は最善策だと思っていました。銀行が破産することはそうそうありませんし、銀行の定期預金なら年率0.1%で利子がつくので、元本割れせず資産が増えていくので素晴らしいと思っていました。

 ところが、投資関係の本には大抵書いてあるのに、多くの人(もちろん多くの東大生も)が知らない事実として、「銀行預金は年々その価値を喪失していく」ということがあります。

(中央銀行とインフレーインフレは国策ー)
 皆さんは、日本の中央銀行をご存じでしょうか?そうですね、日本銀行(通称:日銀)ですね。

 上から見ると建物が「円」の字になっているというウンチクもありますが、日銀がどのような役割を担っているのか具体的に説明できる人は少ないと思います。

 日銀は中央銀行であり日本で唯一の発券銀行です。諭吉も一葉も英世も日銀が発行します。日銀は政府の借入金の証書である国債を引き受ける役目も負いますし、景気動向に合わせて金融政策を行います。

 日銀が行う金融政策の中に、「物価安定の目標」があります。

 日銀は市場経済における効率的な資源配分のために物価の安定を重視しており、具体的には、消費者物価指数を前年比2%上昇という目標を掲げています(実際には目標を達成できておらず1%ちょいくらいの上昇率ですが笑)。

 消費者物価指数の上昇とは、言い換えれば物価の上昇を意味します。つまり、インフレを意味します。

 ということは、国の中央銀行たる日銀が年2%のインフレを目標としているということになるのです。これは国策によってインフレが推進されているということになります。

 インフレは物価上昇を意味しますから、当然その分貨幣価値は減少しています。つまり、私たちが持っている貨幣(日本円)の価値は年2%ほど減少する可能性があるということです

(預金の価値は時間とともに減少する?ー立ち食いソバの価格と消費者物価指数ー)
 
もっと具体的な例で説明しましょう。ここでは立ち食いソバを例に挙げます。
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 駅とかにあるあの立ち食いソバ、1960年は一杯35円でした。それが現在では270円と約8倍になっています。

 実際に、1950年の消費者物価指数を1とすると2019年の消費者物価指数は8.35と約8倍になっています。つまり、ここ50年間で物価が約8倍になり、貨幣の価値は8分の1になったことが分かります。
(※1950年と今では商品の質・生産コストが異なるといった指摘もありますが、ここでは概念として紹介しています)
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 同じことは、大卒の初任給にも言えます。

 1970年の大卒初任給は平均約4万円、現在(2012年)の大卒初任給は平均年20万円です。1970年の平均を現在価値に直すと約14万円ですが、それでも貨幣価値がこの40年で大きく減少していることが分かると思います。
 
 
政府は財源を賄うために国債を発行し中央銀行に引き受けてもらいます。中央銀行は発券機能を持っているため、紙幣を発行し政府から国債を買い取ります。政府は国債と引き換えに受け取った紙幣を用いて予算を組みます。

 こうして、政府が使った紙幣が市場に流通することで、市場に流通する貨幣量が増加し貨幣価値は減少します。これの繰り返しによってインフレが進行し、銀行にある預金の価値は年々減少していくのです。

 
もちろん、インフレが進行すればそれに応じて賃金量も増加するので、今後受け取る貨幣量は増加します。その一方で銀行預金については年々減少する一方なのです

 
銀行に預けている余剰資金を投資に回し、インフレ率以上で運用することで資産の実質的な価値の減少を防げるというわけです。

(為替リスクー将来的な円安リスクー)

 上の項目では、インフレによって貨幣(日本円)の価値が減少するという話をしました。実は、もう一つ日本円の価値が減少するリスクがあります。それは、為替リスク、つまり、円安によって国際的に円の価値が減少するリスクです
 
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 日本人の個人金融資産の90%は依然として円建て資産です。円高の時は国際的に円資産の価値が増加しているのでかまいませんが、円安が進んだ場合は資産の実質的な減少を意味します。

 
2012年以降の第2次安倍内閣による経済政策「アベノミクス」によって一時期76円台だった円相場は120円台まで円安が進みました(2019年現在では110円台)。今後もインフレ等によって円安傾向が続く場合、資産のほとんどを円建てで保有することは為替リスクを負うことを意味します

 また、為替は二国間の金利差やインフレ率の差、マーケット環境や貿易収支、雇用統計等の経済指標によって影響を受けるため、プロでも予想が難しいのが実情です。

 
為替が円安、円高どちらに動くか不確実性がある以上、分散投資の観点からも、資産のほとんどを円建てで保有することはリスキーだといわざるを得ません

 外国債券や株式、または外貨預金等で円建て以外の資産を保有することも円安リスクに備える上では重要です。具体的には、外国株式や債券に投資する投資信託が一つの選択肢となります。
 

(投資しないリスク)

 上の2つの項目から、どうして「銀行預金は年々その価値を喪失していく」かが分かったと思います。
①政府の国債を中央銀行が引き受ける過程でインフレが起こり、貨幣価値が年々減少
②経済政策による円安による国際的な円資産の価値減少

 この2つによって、例え銀行預金であっても絶えず価値減少のリスクにさらされていることが分かったと思います。

 リスクが怖くて投資を始めない人はたくさんいると思いますが、実は安全だと思って銀行に預けていた預金そのものが、投資をしないリスクにさらされているのです

 このリスクの巧妙な点は、額面上はお金が減っているようには見えない点です。しかし、年々確実に銀行預金の価値が減少しているのは確かです。そこで、投資のよってインフレ率以上の年利で資産を増やしていく必要があるのでしす。

 また、そうした投資の知識や経験は一朝一夕に身につくものであはありません。また、銀行預金は長年預ければ預けるほど「複利の力」によってその価値をどんどん失います。

 そのため、若い時から投資についての考え方や知識について学んでおくことは重要です。大人になってより多くのお金を得る前から投資についての経験を得ておくことはとても重要だともいます。

(それでも預金は必要)
 ここまで話すと、銀行預金をやめてすべて投資に回そうとする人が現れるかもしれません。しかし、投資とはあくまで余剰の資産を運用するものです。

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 そのため、十分な生活資産(給料2か月分程度)が銀行預金にある状態で投資をするのがベストです。

 銀行預金のメリットは金融商品と違い、流動性が極めて高い(取付騒ぎにでもならなければいつでも引き出せる)上に、ネットバンキング等で送金が容易という点があります。また、クレジットカードやキャッシュカードを使う上でも一定の銀行預金は必要です。

 私は、銀行預金をやめろと言っているのではありません。生活に必要以上な資産を銀行預金に入れておくのではなく、投資によって運用することを勧めているのです

 生活のための最低限の銀行預金は当然必要ですし、資産の90%以上を投資していたら落ち着いて生活ができません。

 私もかつては総資産の90%以上を投資に回したところ、日常生活のお金に困った上に、値動きが気になりすぎて集中できなくなりました。

 適正な量の銀行預金は投資をしている間の精神安定剤としての機能も持っています。

 あくまで、銀行預金と投資、それぞれの目的と特徴を見極め、正しく運用していく必要があると思います。

(参考):内藤忍「資産設計塾」第4版、2015、自由国民社
    :日本銀行「金融政策」https://www.boj.or.jp/mopo/outline/qqe.htm/
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 今日は私のお金に対する考え方を変えた本を紹介しようと思う!!
 実は僕は元々お金が嫌いだった。というか憎んですらいた。お金を欲望の具現化と認識して、お金持ちは貪欲な人々だと考えていた。実際、自分は官僚志望なのでお金の話なんて関係ないと思っていた。

 ある日、そんな僕に弟が一冊の本を持ってきた。この弟は僕と真逆の人間で、今年慶應大学に入ったが、将来は起業してお金を稼ぎたいそうだ(笑)。その弟が持ってきた本こそ今日紹介する「バビロンの大富豪(J.S.クレイソン著)」だ。この本は私の今までのお金に対する考えを根底から変え、私が金融や投資について勉強する契機となった。

(概要)
 この本は古代都市バビロン(世界史選択にとっては懐かしいですね)を舞台に寓話形式で展開される。プロローグを含めて計10話の寓話でいかに経済的繁栄を手にするかを説いていく。
 
 この本の良い点は、貯金の仕方や賢い投資の仕方、お金の増やし方を寓話という飲み込みやすい形で書いているところだ。お金や金融・投資についての本は過度に専門的であったり説明が冗長だったりして読んでる途中で投げ出したくなることがしばしばある(かくいう私もしょっちゅうそういうことがある)。それに比べて、この本は寓話という親近感をもって読んでいける書き方で、尚且つ具体的に「貯金の始め方」、「投資の基本原理」、「お金が増える仕組み」、「労働への取り組み方」について書いてある。

 また、各話の最終部分にその話で得られる教訓がまとめられておりとても分かりやすい。私も、この教訓部分をノートに書き写してよく復習していた。

 この本のさらなる特徴は、読者のモチベーションを盛り上げる書き方がされている点にもある。貯金や投資と聞いても大抵の人は実行しなかったり、せっかく初めても直ぐに飽きてしまったりする。普通の貯金や投資についての本を読んでいたら私もそんな三日坊主で終わっていたかもしれない。

 しかし、この本は私が現在も投資や貯金を続けるのに十分すぎるモチベーションを提供してくれた。この本が寓話形式であることはここでも長所となっている。物語は、元奴隷の大富豪や大商人が人々に彼らの知恵を与えたり、諭したりする構成で展開する。そして、この本を読む読者は物語の中の人々と同様の立場に立ち、彼らの知恵を体得し諭される側となる。

 本を読み終わるころにはきっと、今までの自分のお金との付き合いを見直し、獲得した知恵を元に貯金や投資を始める決心がついているはずである。実際、私も今やっている投資とその勉強のモチベーションはこの本によって生み出された。

 この本が、皆さん自身の思い通りの未来を獲得するのに十分な資力と、人生100年社会においてもはや必須ともいえる投資能力を獲得するためのきっかけになってくれればと思う。

あなたの前には、未来への道がはるか彼方へと続いている。その道沿いには、あなたが達成したい望  みや、満たしたい欲求がある。 望みや欲求を手にするためには、まずは金銭にうえで成功しなければならない。(本文冒頭より)

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