皆さんこんにちは‼
 東大は5月祭の真っただ中ですね。東大生にとっては5月祭は企画・運営、仕入れ、デザイン、広報、シフト作成、マネジメント等の簡単な事業のステップを一通り体験できる良い機会だと思います。

 また、自分たちが持っているものがどうやったら売れるのか?どう価値を付与するのか?という、割と起業で役に立ちそうなことをやってるなと思います。(それにしてはタピオカと牛串売ってる店が多いですけどね笑)

 去年自分も出店して、あれから早くも1年たつのかと感慨にふけっておりました。今日は五月祭に行って考えたことを書きます。(主に模擬店について)

スクリーンショット (46)(東大新聞オンラインより)

(やってることは商業資本体験)
 5月祭の模擬店で東大生が体験しているのは言ってしまえば商業資本体験だと思います。大航海時代にヨーロッパの商人がやっていたあれですね。

 商業資本は2つの価値体系の差を利用して利益を生みます。ここでは大航海時代の例から紹介しましょう。

①大航海時代の2つの価値体系
 ヨーロッパ:コショウの価格=同量の金の価格(入手できるの王侯貴族だけ)
 東南アジア:コショウ=その辺に生える草(料理にも普通に使用)
 →この場合は東南アジアとヨーロッパにおいて同じ「コショウ」に対する価値体系に大きな差があります。そこで、商人は東南アジアで安く買ったコショウをヨーロッパで高く売って、その差益を得ます。

②5月祭模擬店の2つの価値体系
 東大生:業務用スーパーでの仕入れ価格(スーパーより10~20%安い)
 来場者の価値体系:「お祭りの屋台と学園祭の模擬店は高い」という一般的観念で拡張された価格許
 容度(スーパーより20~30%高くても買ってくれる)
 →5月祭の場合は、東大生は業務用スーパー等で安い価格で買い、「学園祭だから」という心理で多少は高くても買ってくれる来場者に高く売ることでその差益を得ます。

①と②を比較すると、

 ①は、地理的に隔たっていることと、今みたいにグローバル化で世界が緊密につながっていないので世界共通の価値体系が存在しなかったことが利益の源泉になっています。

 その一方で②は、業務スーパーで仕入れることによる「安く買う」インパクトは実はそれほど大きくありません。なぜなら、一般的な飲食店も業務用を用いるからです。なので、結局は来場者の「学園祭だから」という心理にあずかって利益を生んでることになります。

 さらに言ってしまえば、東大多浪交流会や時代錯誤社、東大美女図鑑、メイちゃんグッズ等の東大ならではの価値が付与された団体の刊行物やグッズに比べて、模擬店の食販は単純化すれば既成食品の転売なので、東大生らしい付加価値はほとんど付与されてないといってもいいでしょう。(そもそもシフトが無給だから生産費には仕入れ原価しか入らない)

 つまり、よくよく考えると、来場者の心理頼みの危ない商売なんじゃないかなって思ったりしました笑。

 まあでも、去年はこんなことは考えずに楽しくゴマ団子揚げてましたけどね笑。

 五月祭では、自分たちで企画書作成、器具のレンタル、テントの設営、仕入れ、運搬、広報、看板作成(デザイン)、調理、呼び込み等々全部をクラスでやります。

 今から思えば膨大な仕事量で、5月祭委員会はとてもよく働いていたなという印象でした(私も会計頑張ったけどね)。途中でトラブルが発生したりはつきもので、登山用の大型ザックで冷凍ゴマ団子を大量に運搬したのはいい思い出です笑

 当日も、必死に呼び込みを頑張って、幾度となくガンスルーされたことで鋼のメンタルが培われました(もう今は元に戻りましたが)

 今振り返ってみれば、他人と協力してプロジェクトを遂行しお金を得るという経験を初めて本格的にしたなと思います。その過程で、組織を動かすことの難しさ、トラブルを予想しそれに備える重要さ、自分の努力がお金(価値)という形で還元されることに喜びを学んだ貴重な経験になりました。

 明日は5月祭2日目です。今日のフィードバックを踏まえて、模擬店の皆さんは明日も商魂たくましく、しつこい勧誘でどんどん売り上げを伸ばしていってください、応援してます!!
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