今日は最近読んだニュース記事について考えたことを書きたいと思います‼

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 https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20190513-00000040-ann-bus_all

 内容を要約すると、自動車大手のトヨタの豊田社長が終身雇用の維持が難しいという発言をした。さらに、経団連の中西会長も「終身雇用なんてもう守れないと思っている」と発言していること。 その一方で、中途採用や派遣の社員が増加していることを伝えている。

(日本の終身雇用制の歴史と今)

 まずは日本の終身雇用制がいかにして形成され、どのような変遷をたどったのか見ていきましょう!

 終身雇用制は日本企業の雇用慣例として長らく存続してきました。日本で終身雇用制のような長期雇用が慣例となったのは高度経済成長期でした。1950~60年代の神武景気、岩戸景気と呼ばれる好況の中ではむしろ労働力不足となり、大企業による長期雇用が慣例化しました。

 しかし、1990年代初頭にバブルが崩壊、「失われた20年」という不景気に突入すると、労働派遣法改正(1996)や派遣適応業種の拡大(1998)によって、派遣社員が増加し正規社員の割合が低下します。ここから日本の終身雇用制は揺らぎを見せ始めます。

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 最近では、少子化、日本経済の低迷、国際競争力の低下(新興工業国の台頭)によって、終身雇用制や年功序列といった日本的経営システムを維持することが困難になってきています(自動車大手のトヨタでさえ維持が困難だしね)。

 一方で、終身雇用制が衰退したとはいえ、日本には依然として長期雇用の慣例が存続しており、外国に比べて転職率は低くなっています。

(旧来の家計の在り方の変化)
 終身雇用制の衰退によって、日本の家計(家庭における経済)の在り方も大きく変わってきました。高度経済成長期の終身雇用制においては、一家の男性(夫・父)を稼ぎ頭としていました。その男性が終身雇用であるため、家計における収入基盤は安定しました。

 しかし、終身雇用制の崩壊によって家計の収入基盤が不安定化しました。これによって出生率が低下したほか、家計を支えるために妻・母親も働く共働きの世帯が増加しました。

 つまり、終身雇用制の崩壊した現代において「男は外で働き、女は家庭で家事・育児をする」という男女の性役割分担はもはや成立しえないということが分かります。僕は、日本ではしばしば上に書いたような男女の役割分担的価値観がいまでも存続しているように感じますが、それは全くナンセンスだということになります。

(投資の必要性)
 終身雇用のような長期雇用が衰退するということは、人生においていつも職にありつけるとは限らないということです。転職率が上がり、1個人が複数の企業を転々とするようになるということは、今の職と次の職を手に入れる間に無休の期間が存在することを意味します。

 ここでも、金融リテラシーや投資についての見識を養っておくことの必要性が強調されます。投資にお金を回しておけば、自分が働いていない間にもお金が自分の代わりに働いてくれます。

 働き方が流動化し、雇用による賃金収入が不安定化するであろう近い将来において投資のスキルをみにつけることはもはや必須と言ってもいいでしょう。

 また、職と職の合間に大学で改めて勉強したいと思ったときにも、投資は自分にお金をもたらしてくれます。後述するように、絶えず学び続けることが求められる近未来において投資を学んでおかない手はないと思います。

(今後の雇用の在り方・求められる人材)
 
今後の雇用の在り方がどのようになっていくのか、個人的に予想してみたいと思います!
 まず前提として、今後の日本で終身雇用制が復活することは、よほどの経済・政治的なパラダイムシフトが起こらない限り起こりえないでしょう。

 今後は、転職率が上昇しより良い機会や給与を求めて人材の移転が活発に起こるようになるでしょう。同時に、企業側も雇用者は2.3年で転職することを前提とした欧米的な組織構造へと変革していくと思います。

 高度経済成長期は、欧米先進諸国の後追いをすればよかったのでそこに独創性はあまり求められませんでした。むしろ、欧米の新技術を導入しそれを改良し、質の良い日本製の製品を生産していれば売れたのです。
 
 しかし、今後は世界の先頭を走る先進国として新技術や新システムを生み出してく側にならなければなりません。そのためには既存のモノを組み合わせて新機軸を生み出す独創性や創造性が必要です。今後の人材に求められる性質はまさにそのようなものだと思います。もはや、事務処理ができれば雇用された時代は終わったのだと思います。

 残念なことに、現在の日本の教育はそういった独創性や創造性を伸ばすようなカリキュラムとは言えないのが現状です(文部科学省は懸命に打開策を模索していますが)。今後は、ますますグローバル化する社会で活躍できる人材を生み出せるような教育面の改革も重要だと思います。

 また、社会がますます情報化、電子化していく中でプログラミングや機械学習等の先端技術を高いレベルで使いこなせる人材への需要は今後間違いなく増加していくでしょう。

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 特に強調しておきたいこととして、今後の人材に間違いなく求められるのは「学び続けるという姿勢」であると考えます。2000年からの約20年間で社会はめまぐるしく変革しました。今は価値があり重宝される専門的技術(先のプログラミングや機械学習)がこの先20年後も価値がある保証はありません。

 そういった意味でも僕は創造性や独創性を普遍の技能として重要視しています。さらに、そういった独創性を適切な形で発揮するためには、絶えず社会の変化を敏感にとらえ、変化に取り残されないように学び続けることが必要だと考えます。

 最後にルイス・キャロルの「不思議な国のアリス」より
 皆さんならもうその意味が分かりますよね?

「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない(It takes all the running you can do, to keep in the same place.)」
 
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