皆さん、こんにちは!
 だいぶ寒くなってきましたね、周りの体調を崩している人が増えてきたので、皆さんも体に気を付けてくださいね~

 今日は、これからの社会でどのような能力が求められるのか、ということについて考えてみました。

①前置き 
 「社会で求められる能力」っていう言葉は俗っぽくてあまり好きではないですが、時代に応じてそうした能力が存在するのは事実だと思います。

 では、今の時代、そしてこれからの時代に求められる能力とは何でしょうか?文部科学省が推進している義務教育改革に照らせば、それは「包括的英語力(従来の書きや読みだけでなく、スピーキングやリスニング力を含めた英語力)」や「プログラミング」だということもできるかもしれません。

 ただ、IT技術の進歩やグローバル化の進展によって、この世界はめまぐるしい速さで変化していっています。

 それは、就職における人気の業種にも表れています。1990年代の人気の業種は何といっても、銀行でした。それが、今では斜陽産業とよばれ、人気の重点はコンサルタント業、投資ファンド、ベンチャー企業に移っています(あくまで、サンプルは私の身近な大学生と東大生なのでだいぶバイアスかかってます笑)。

 こうした流動的な社会では、今後10年間でどんな業種が成長するかは読めません。そこで、たとえ、今いる業種が「オワコン」になり、他の業種が成長しより儲かるようになったとしても、新たに成長した業種に移って活躍するための普遍的な能力が必要であるともいえます。

 そこで、今回は、時代や業種に囚われず、社会で活躍し続けるために必要な「普遍的能力」について考えたいと思います‼

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②現代社会における普遍的能力とは
 では、本題の普遍的能力の説明に移ります。これは、私が今まで、官僚やコンサル、金融系など様々な東大卒業生と話す中で、彼らの話の中から共通の属性として抽出したものです。

 実際、彼らにこの能力の話をすると、「まさにそういう能力が求められているよ」というお答えを頂きました。また、官僚でも、コンサルでも意外と求められている能力は同じとおっしゃる方が多いのが印象的でした。

 その能力とは、ずばり「論理的思考力」です‼(具体的なスキルを期待して人、ごめんなさい)

 具体化すると「モデル化能力」+「仮説検証能力」に分けられます。この二つの能力は連続的な能力です。ここでは、まずそれぞれについて説明します。

(1)モデル化能力
 モデル化能力とは、現実の事象を分解して、複数のユニットに分け、そのユニット同士の間を関係性で結ぶ能力のことをいいます。

 こう言うと、抽象的なので具体化します。例えば、目の前に車が走っています。車は大まかに、車輪、エンジン、トランスミッション、ギアなどのユニットに分解されます。また、エンジンで生み出された動力はギアやトランスミッションを介して車輪に伝わり、回転運動を生んで車を動かします(このユニット間を結ぶものが関係性です。車の例ではエネルギーが関係性です)。

       
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        (出典:https://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/data/automotive_business/products_
                technology/technology_development/chassis/details_window.html)


 これが簡単なモデル化です。モデル化能力は車のような技術から、社会現象(例えば企業活動)まで幅広く応用できます。

 モデル化能力を通じて「ある技術がどうして作用するのか」「ある企業がそのビジネスによっていかにして収益を得ているのか」「ある組織はどうして円滑に機能しないのか」などが目に見える形で表されます。

 こうすることで、私たちはここのユニットや関係性を操作可能なものにできます。例えば、「エンジンというユニットの燃費が悪ければ、燃費の良いユニットに交換する」、「売り上げの上がらない店舗があれば、優秀な店長を起用したり、閉店する」等のユニットや関係性への働きかけが可能になります。そのための能力がモデル化能力です。

(2)仮説検証能力
 次の能力は仮説検証能力です。これはモデル化能力があって初めて機能します。

 現実をモデル化し、そこで起こっている問題点を改善しようとするときに、どのユニットまたは関係性を改善・交換すれば、その問題が解決するのかという仮説を考えます

 仮説を考えた後は、その仮説を検証するため、ユニットを別なユニットに置き換えてみたり、ユニット間の関係性を改善したりします。そうして問題が解決するかどうかを確認します。

 それで問題が解決すれば目的達成ですし、それでも解決しないときはまた別のユニットや関係性に対して仮説を立てて検証します。

 この能力はただ単に仮説を立て、検証する能力ではありません。仮説の検証には往々にして費用(コスト)がかかります。

 そこで、なるべく少ない試行回数で問題解決を達成するために、問題の本質を見極め、最も効果のありそうなユニットに働きかける力が求められます。この力は一朝一夕に身につくものではなく、ある程度の経験の蓄積が必要です。

(3)論理的思考力
 上記の二つの能力、モデル化能力と仮説検証能力を合わせたものを私は論理的思考力と呼んでいます。

 この能力は研究者になっても、企業に入っても、ありとあらゆる環境で普遍的に求められる能力です。なぜならば、この能力は「問題を解決する」ためになくてはならない能力だからです

 企業は顧客の問題を解決することで対価を受け取ります。学者や研究者は問題を解決することで、新たな理論や技術を生み出します。

 そもそも、原初の人間にとって自然界は問題だらけでした。猛獣や病原期、自然災害など人間いとって脅威となる問題は多く存在しました。これらの問題に対して人間はその知性=問題解決能力を用いて生き残ってきました。そして、この能力こそ「論理的思考力」なのです。

 私たちに普遍的に求められている能力は、原初の時代から実はあまり変わっていなかったのかもしれません。

③まとめ
 今回は、技術が急速に発達し、流動性が高まりつつまる現代社会において、業種に囚われずに必要とされる「普遍的能力」について紹介しました。

 普遍的能力とは論理的思考力であり、それはモデル化能力と仮説検証力に分けられます。この能力が普遍的である理由は、人間にとって問題解決という営みは本質であり、それを支える能力が論理的思考力だからです。

 最後に、この主張は私の考えだけではなく、冒頭でも触れたように、東大卒業生の官僚の方やコンサルタント、教授が異口同音に主張することでもあります(権威付けしときます(笑))。

 抽象的だと思われた方もいるかもしれませんが、日常生活で意識していると徐々にできるようになってきますよ。まずは身近なものをモデル化してみる訓練から始めてみるといいかもしれません。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。次回は投資関係でやります!!

 
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